単品ECの基本戦略 (1)
ニッチ市場を狙う~市場戦略
地理的制約がないEC通販だからこそ、全国、さらには全世界を対象にできるという特長については、誰もがご存知のことでしょう。ですが、それを別の角度から見ると、EC通販には、極めてマイナーな市場(ニーズ)であっても、全国、全世界といった対象の母数の大きさゆえに絶対数として、事業が成立するだけの顧客数を獲得できる可能性があるという捉え方もできます。
例えば、納豆や黒豆茶といった実店舗では専門店として、およそ成立しないであろうと考えられる商品ジャンルに絞り込んだ専門ECサイトが存在し、かつ、優良な利益を上げています。確かにこれほどマイナーな商品を買っていただけるお客様を見つけるのは難しく、様々な工夫が必要ではありますが、そうやって獲得できた顧客は優良なリピーターとなる確率も高く、結果として大きな利益をもたらしているということなのでしょう。
逆に他社比較が容易にできてしまうECにおいては、同じような商品を扱っていては、価格競争に陥り、利益率の低いビジネスになってしまうでしょうし、大規模モールをはじめ集客力のあるサイトには到底敵わないでしょう。
ニッチな市場でも一定の規模を獲得することが可能なECだからこそ、ターゲット、ニーズを絞り込んだ商品(価値)の提供をめざす中に光明が見えてくるのではないでしょうか。また、そんなニッチなお店ゆえに、集客力のあるモール出店に頼ってしまいがちですが、そのことで大手モールのロングテール戦略には貢献できても、自店の顧客としてリーチできないならば、利益にはつながらないという点にも留意しなければなりません。
そして、ニッチ市場を追求することが、往々にして今まで誰も気づかなかった新たな市場を創造することにもつながっていきます。まさにブルーオーシャン戦略の体現に最も近いアプローチと言えるのではないでしょうか。
コロナ禍で最近、弊社が特に注目している商品ジャンルとしては、重複やランダム感を気にせずに参考までに列記しておくと。
・ 美味しい保存食品
(もしくは保存食品と同ジャンルの美味しい食品)
・ 免疫系商材
(サプリメントでは法律上の問題があるので、機能性表示や医薬品)
・ オリジナルのOTC医薬品
(一物多名称で埋もれている処方なども)
・ 男性向けスキンケア
・ ジェンダー志向の商材
・ SDGsを強く意識した商材
(エシカルやリユース活用のサブスクなど)
・ ペット用商材
・ 国内未展開商材
・ インフルエンサーが飛びつくような商材
・ マイクロブランディング商材
(顧客が見つけた感がある商材/手作り品や左利き専用)
・ マイクロコミュニティー商材
(まだメジャーではないプロスポーツや地域限定など)