「EC通販実行サイクル」とは

EC通販のマネジメントの実行サイクルは、図のように、計画→販売→測定→分析→評価【※画像が合わずこの以降の分がきれました】→上に戻って、計画・(を繰り返す)…」と実行サイクルがくり返されることで、より効率的なEC通販を実施することができる。
その中で、今まで記述してきたテストマーケティンなど各種の科学的な手法が活用されるのである。

EC通販は座業の待ちの商売ではない

 EC通販は座業の待ちのビジネスではなく、攻めのビジネスであり、このマネジメント・サイクルをシステム化し、スピードを上げることが重要である。
例えば、広告やPRを行わないと有店舗では店さえ開いていないという状態とさほど変わらない、という事態が生じる。

各段階を簡単に紹介すると、  

○計画段階
 経営計画、事業計画として顧客ターゲット戦略、商品戦略、価格戦略、販促戦略などを構築する。
マーケティング用語の4Pや3C。4P(Product、Price、Place、Promotion)中でも、Place=ECと単純に考えるのではなく、特に新規創業や新規事業の場合はインターネットモールが良いのか?
自社サイトのみなのか?モールの場合はどのプラットフォーマーに出店/出品すべきか?
その段階的な進展や自社サイトとの組み合わせにより商品と価格と販促を、それぞれに考えておく。そして、事業試算が重要でもある。

○販売
 ECについて書いたが、コロナ禍の在宅勤務や不要不急の外出などが制限される中では、アナログ媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、折込ちらし、ポストインちらし、テレマーケティング)などの活用も見直されてきている。

 広告=新規、リピートは別物ではなく

○測定や集計
 媒体の実績、顧客の利用実績、だれが何をいつ購入したのか、CPAやコンバージョン率、更には2回目の購入以降も最終購買日[R:RECENCY]、累積購入頻度[F:FREQUENCY]、累積購入金額[M:MONETARY]などを測定する。
なお、弊社が提唱してきた「単品通販や単品ECでは、このRとFの組み合わせを重視している。
顧客発見の新規活動とR2以降のリピート促進活動、業界ではアクイジションとリテンションもしくはCRMと言うが、連続して書いているのは、そこに連続性があると良い、という思いから。

○分析
 RF(M)顧客分析、媒体、商品のレスポンス率分析、グルーピング(顧客グループや商品ジャンルグループなど)、ランキング(同様に、顧客も商品も売上や利益、回数)などの各種の分析を行う。
付け加え説明となるが、単品ECの場合は客単価が変動しにくいので特にRとFを重視する。
ただし価格メリットを強調する=ファン顧客には3か月セットや6か月分の纏め売り、もしくはご家族/ご友人セットやギフト化が可能か?やお使い物に多数購入など、客単価が上げられつつ、顧客にも感謝される売り方が無いか?を探ることも重要だ。

○評価
 そもそも需要があるのか?それはどの程度であったのかなどのマーケット分析、顧客分析(想定ターゲットとの違いの有無)、商品分析(正しい使い方をしていただいているのか?)、広告分析(ヒットする要素は?)等々の評価・反省を行う。それらをもとに、事業計画の修正をはかったり、また新たな事業計画を構築するというマネジメントサイクルを繰り返す。

次回は業界平均的なPL(損益計算)などに触れたい。