おもてなしの姿勢で顧客に接する日本流CRM

単品ECの「おもてなし」を考える場合。先ずはリアル体験の良さを思い浮かべる方が参考になると考える。
老舗旅館や高級ホテルや人気のテーマパークがしてくれること。

・準備/お客様をおもてなしする姿勢。掃除から料理の仕込みや装飾や。お料理の配膳などもあるが、どれも良い顧客体験を演出するもの。

・真実の瞬間/昔、ヤンカールソンの名著にあったように「接客する瞬間」こそが真実。ホスピタリティのあるご挨拶や季節の話題。傾聴や気遣い。イベントなどの演出も効果的。店主や女将の顔出しなども参考に。

・アフターフォロー/体験の追体験の演出。旅先からお礼状や写真など、もちろんSNSシェアなどが来ると記憶に刻まれる。そうして、また行きたいと。

さて、単品ECでLTVを高めるためのCRMだからと直接的な商品の販売だけを意図したコミュニケーションをしてはだめだということです。
これまでCRMに携わった方の中には、CRMとは優良顧客を抽出して狙いを付け、特別優待セールのDMを送付するといった販促活動のことだと思われているようですが、決してそれが全てではありません。というか、安いですよで買ってくれる人は安い時だけやってくれるお客様に販売者がしてしまっている。顧客視点に立って、商品購入プロセスやその後の商品利用を介したコミュニケーションを通じて顧客満足度を高め、商品や店(企業)との長期的な関係性を築くということが本質なのです。

商品がお客様の期待以上のものであることはもちろんですが、注文や商品お届けといった接点でお客様の期待以上の対応を実現し、お客様のことを知り、現在の状況を配慮した上で、適切なタイミングでお客様が欲している情報提供やコミュニケーションを行うといったきめ細かな心遣いができてこそ、お客様の満足度が高まり、自社をより身近に感じていただけるのです。その意味で、割引優待やプレゼント攻勢といった短期的かつ金銭的、物的な優遇に終始するのではなく、まさに日本ならではの「おもてなし」の姿勢が求められているのではないでしょうか。

※日本流とは、画一的なものは余り無いような気がする。海外でもホスピタリティーや日本以上のフレンドリーさを体験することは多い。ライブコマースやFコマースの盛り上がり方を見ても分かる。そこで重要なのは、多様性を意識して自分たちの伝統や守っている事、続けいてきたことを磨き、利他の心でお客様に満足してもらう演出。

・準備/いつもサイト内の情報の見つけやすさや買いやすさを改善する姿勢とお客様にもそれも聞いていく。

・真実の瞬間/カートインやお支払い時のサンキュー画面。時によれば電話接客やお礼状なども。イベント演出もセールも分かるが、サプライズやリアルやWEBでお顔を合わせる工夫も効果的。

そうして、自社のファンを増やして、コミュニティーや「押し組」ともいえるお客様を作っていくこと。日本流ではなく自社風で。