単品ECの戦術 (1)
「テストマーケティング」の実施

テストマーケティングとは!? 

 EC通販の場合、いきなり大規模な販売促進活動はしない。小さいものでテストをして、十分効果を確かめてから、大きな販売促進活動を実施する。その手法の1つが、テストマーケティングである。テストマーケティングにもさまざまな種類がある。
簡単なイメージでは地域や店舗のテストマーケティングである。その商品の販売見込み度によって地域や店舗を分類し、一定期間のテストマーケティングを実施する。標準地域や効果的な地域を選定して実施し、各種のデータを入手してから、本格的な展開をはかるのである。

 さて、EC通販ではその手法としてABテスト(もしくはスプリットエンドランとも呼ぶ)という方法がある。基本は販売予定の条件で販促メディアをつくり、同時に価格やセット数、条件を変えて数種類作成し、同時に実施して最も反応率や、売上高など成績の良い方法を発見する方法だ。
オファーやクリエイティブのテスト。時には価格や需要性も初期段階ではテストを行う。
単品ECでは1商品のLP(ランディングページ)を複数作り、アクセス数やコンバージョン率をその数で評価をする。規模感としては昔から答え=100件などと言われてきた。

アナログでの過去テストとKPI/指標類

 過去にはカタログのテストマーケティングも盛んに行われてきた。例えば、以前のカタログ通販の場合は、かなりの部数を発行するので売れなければ大変なことになる。とくに総合通販(顧客対象や商品を細分化していない通販)の場合は、カタログのボリュームが厚く、費用も相当な金額になる。
そこで、カタログ通販が失敗しないために、プレビュー版と呼ばれるテスト版を発行し、販売状況をテストしてから本格的な販売に乗り出すのである。
顧客リストの評価(購入回数や最終購入日、購入金額、クレームの有無など)も必要でよく使われる。1種類のテストメディア以外のメディアの比較評価もしなくてはならない。適切な媒体を確保するために、想定メディアを使ったテストマーケティングがある。

 テストマーケティングの効果の分析は、レスポンス率(使用した媒体に反応した注文顧客の比)、CPO(コスト・パー・オーダー:1つの注文を獲得するのに要した費用)、CPR(コスト・パー・レスポンス:1つの反応を獲得するために要した費用/リスト獲得費用)、CPI(コスト・パー・インベストメント:受注に要した販促費に対する売上高の比率。CPIが1で販促費と売上額と同額となる。
CPIが3や4となれば利益が出ているということが分かる。またTV通販ではMR:メディアレーションという言い方もしている)を使い、その優劣により、本展開の手法を決定するのである。もちろん、商品、価格なども合わせてテストマーケティングをする。現在ではCPAやROIやROASを指標とするECではあるが、そのベースは過去からある。

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