単品EC事業導入と再構築の10ステップ「1」~「3」

 

1.自社の資産、資源のチェック
2.商品とサービスの設計
3.新規顧客の獲得方法の検討

4.継続購入の方法を検討
5.販売計画、予算計画の作成
6.サービス詳細内容の設計
7.フルフィルメントの設計
8.売上利益計画の作成
9.実行計画(3カ年など)の作成
10.テストマーケティングの実施

今回は上記の1.自社の資産、資源のチェック」から「3.新規顧客の獲得方法の検討」まで。続きは次回に。

1.自社の資産、資源のチェック

さて、今回は「これからEC通販ビジネスに参入する。もしくは既に参入されているが、今後再拡大を図ろうとする際に必要なステップ」を10段階にわけて記載する。

先ずは一言でいって「強みは何か?」それも生活者から見た際の特徴と現在でもある強みのこと。

・経営理念や経営戦略からEC通販ビジネスの落とし込みは出来ているか?

生活者や従業員がすんなり受け入れることができる戦略や戦術、イメージの浸透が図れるのか?

・企業イメージは?

戦略が正しいとして、現在の企業メージはどうだろうか?EC通販にプラスに働く活動=ブランディングは?

・顧客リスト:これがあるとするとスタートは早い。もし無いとしてもBtoBでの名刺があれば、少なくとも貴社のことは知っているので、これも十分な資産といえる。

・プライバシー保護の理念、実際はプライバシーマークや各種セキュリティは大丈夫だろうか?

・現状商品、現在の商品のパッケージ変更や容量、成分変更してEC通販のBtoC向きの商品になるであろうか?

・媒体資源、例えば株主通信や他部署が発行している媒体は無いか?

・コンタクトセンターやフルフィルメント、個別対応できるであろうか?

・コンピュータシステム、BtoC向きだろうか?

 2.商品とサービス設計

 以前にも商品関連については記載したが、サービス(売り方を含む)設計も同時に行われているだろうか?ひとまず、ECサイトに掲載して、売れるかどうか分からないので、各種サービス設計が後回しということでは成功しない。例えば、定期コースや頒布会などを実施するとしても、生活者が毎月のように御社から買う理由が明快でないと、安売りの始まり、となってしまう。
「単品EC」にふさわしい商品を見つけるためには具体的にはどのような事をすればいいのか。
単品EC成功の最大のポイントは「商品」である。EC通販する商品が単品ECとしての魅力をもった商品であるかどうか、実施する前に十分チェックする必要がある。
販売する商品は、事業の利益を生み出すだけの利益率を確保できる価格であり、かつ市場に受け入れられる価格であることが必須である。
また、商品機能差別化、販路差別化、商品品質差別化、価格競争力、継続購入性、安定供給力などを考慮する。EC通販としての「こだわり」をもち、なぜEC通販商品なのか、EC通販を利用する理由(システム、アフターサービス含めて)をつくりあげることが肝心である。以下、以前にも詳しく書いたが再整理しておく。
 

○チェックポイント


・販売商品はどちらのタイプか?
   
①ここでしか入手できない商品
   ②価格競争力のある商品
・3種の商品ポジションが明確か?
   ①主力商品(メイン商品)
   ②入口商品
   ③補完・関連商品(サブ商品)
 
今後、期待される単品EC商品取り寄せる価値のある商品、健康食品、趣味や目的が絞られた商品、元気な高齢者向け商品、福祉的な商品、特定対象を狙った商品、サービスに関する通販、従来の売場がない新商品。リバイバル商品やターゲットを変えてリメイクした商品など。

 3.新規顧客の獲得手法の検討

 商品とサービス設計を行う際に、必ずターゲット設計も行うべきで、マーケティングの基本のSTP(市場セグメント、顧客ターゲティング、競合他社とのポジショニングの違い)を行うこと。ターゲティングが正確であれば、メディアは自ずと浮かんでくる。あとは「勝ちクリエイティブの制作」とそのメディアをどのようなタイミングで、かつ頻度で、どれぐらいのボリュームを使うのか?
 そして第1ターゲットに受け入れた時には幅広げが可能なのか?商品を変えるのではなく、商品の訴求や語りかける相手を変える(増やしていく)ということで、年齢を上下させたり、性別を変えたり、地域やライフスタイルの語りかけていき、どんどんボリュームゾーンを拡大する。なお、最初のニッチマーケティングで上手く行かない場合はその段階からのやり直しとなる。やり無しをしても広めていきたい商品か?顧客の声に改善点は無いのか?EC通販は少し売れ始めたからが本当のビジネス(リ)スタートのように思いたい。

続きは次回に、「4.継続購入の方法を検討」から。

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