単品EC実施/商品戦略のポイント~2

1:「単品EC」に必要な商品、6つの条件

 単品EC(DTCサブスク)の場合、商品の魅力が何より重要である。先に通販に適した10の商品特性について触れたが、さらに単品ECで成功する6つの特性について以下にまとめた。

➀:商品機能差別化

 これまでにない画期的な機能を持つ商品。例えばTVショッピングでお馴染みの外国製のダイエット器具や、強力な洗剤、これまでにない効果を訴求する機能性表示食品やOTC医薬品など。もしくは埋もれていた商品、良くあるのは処方は登録されたいるが他流通のみで出回っていたOTC医薬品や医薬部外品。それに一地方だけで消費されていた食品や民芸的な商品。組み合わせにより独自性が出たりする商品。

②:販路差別化

 このECサイトやショッピング番組でしか手に入らないもの。販売店では入手が困難な商品。従来、現地でしか食べられなかった産直食品、生産者が自家用にしていた有機米、卸問屋が高級店にのみ卸していたマグロなど、➀とも重複する要素のあるモノ。プロ仕様の家電、EC通販でしか買えない仕様のカスタマイズされたパソコンなど。
そういう意味ではEC通販だから可能なマスカスタマイゼーションにて、生活者には自分仕様の、メーカー側はある程度マスでカスタマイゼーション可能な商品群。例えば、靴紐だけオリジナルや、カバンの一部だけ自分仕様の、などもEC通販の良さを感じる。
 ※写真は青森県の大間でしか手に入らないマグロの塩辛があった場所。

③:商品品質の差別化

 品質が優れている商品。無農薬、無添加などにこだわった産直食品や、機能性表示商品の新規商材としての健康食品。権威者、専門家が推奨する商品など。
 

④:価格競争カのある商品

 価格競争力があることを売り物にした商品(ただし、前述の各特長をはっきり持つものなら、価格競争力は必要がない)。いわゆる「訳あり品」。崩れた明太子、割れた煎餅、ケーキの端くれなど。メーカー直売でムダを省いた低価格商品。健康食品、パソコン、航空券など。

⑤:リピート性-継続購入性

 継続購入が見込める商品。食品、健康食品、化粧品、日用雑貨、文房具など。コレクション化される商品も含み、サブスクリプションの月額等の定額制で次々と商品を使用できる(一定期間は試せる)のも魅力。また雑誌のオマケ的に付いてきて組み立てているパーツワーク商品も。

⑥:安定供給力

 品切れを起こさずに、継続して供給できる商品。安定した製造能力、栽培能力、仕入能力などが整っている商品。

2:2つのタイプに分かれる単品EC商品

 「単品EC」の商品を考える場合、大きく分けて2つのタイプの商品がある。

①:このEC通販でしか入手できない商品

 「1.商品機能差別化」「2.販路差別化」「3.商品品質差別化」これらのどれか、もしくは複数を持つ「差別化商品」。このEC通販でしか手に入らない希少性を売り物にするもの。

このとき、それぞれの差別化ポイントは「物語(商品開発のストーリー、出会いや発見の驚きや開発の苦労話など)」として語られることが多い。

②:価格競争力のある商品

 それに対し、2つめは「4.価格競争力を持つ“価格競争商品”」。こちらは商品自体に差別性がなく、どこで買っても同じものをEC通販という利便性および価格競争力で売るというパターンが多い。例えば、航空券、旅行、ホテル、多アイテム展開の低価格健康食品などがその典型だ。シーズンや販売数などにより価格変動する、なども。

TVショッピングのアイデア商品には「差別化商品」と「価格競争商品」の2つの要素を持つものも多い。

そして「リピート性(継続購入性)」と、「安定供給力」については、単品EC商品になくてはならない不可欠な要素である。

単品ECとは言え、1品だけでビジネスを継続していく訳ではない。次回は自社の品ぞろえの話を書きたい。