その3~EC通販のフルフィルメント業務の核となる「コンタクトセンター」その運営のポイント

前回の続きで、その3です。

①課題の多いコンタクトセンター運営

 ○顧客満足度とコストのバランスがとりづらい
 顧客満足度を高めようとするとコミュニケーターの品質を高めるための教育がさらに必要になり、お客様をお待たせせずに電話応対ができるよう電話回線・コミュニケーターをピークのタイミングに合わせた量だけ確保する必要があるが、それらは結果として、大きなコストを必要とすることになる。顧客満足度の一定レベルをキープしながらも、効率的で安定した生産性・収益性が保たれる「適正ポイント」を確保することが求められる。
 電話よりも、チャットやeメールやLINEでの顧客とのコミュニケーションを高めたいというEC通販会社も多い。コストから行くと断然良いように思うが、ロボットだけではなかなか対応できないので、コミュニケーター対応の方が良い。オートチャットのQ&Aだけでは顧客を怒らせかねない。チャット等であれば、1人のコミュニケーターが複数の顧客対応を同時にも出来る。
Amazonのテクニカルサポートのように折り返し電話+チャット(即時対応)+eメール(24時間を目安)などの組み合わせが参考になるかも?

②コンタクトセンターが抱える課題

○コスト課題
 元来、人件費の占める割合が高いため、人件費の適正なコントロールが運営上の大きなテーマとなっている。しかし、コミュニケーターの配置やスケジューリングは煩雑で、適正なシフトを実践するには困難も多い。更に在宅をどこまで実施するのか?また、研修・教育も時間とコストを要するものであるが、常にやり続ける必要があり、これを省いてコストダウンをするということはできない。

○運営課題
 基準値や最適な手法が把握できていないため、業務の標準化を推進しにくい。そのため、お客様満足につながるサービス品質が安定しにくく、また、生産性や収益性が把握できない状態となりやすい。

○組織・連携課題
 コンタクトセンターかあるいはプロフィットセンターかといった点をはじめとして、社内でのコンタクトセンターの位置づけが不明確なことが多く、他部門との連携がとれていない。結果、顧客から収集した情報が社内にフィードバックされず、有効に活用されていない。

意外と多い、顧客との自由会話(よもやま話など)を推薦し、通話時間も短く縛らないという単品通販・単品EC会社も多い。ある意味、CRMの本質をついているのではないか?と思う。

次回はコンタクトセンターの最終回「あるべき姿」へ続く。