単品EC事業最適化のための7の鉄則「5」~「7」

前回と前々回の続編。
前々回は、
単品EC事業最適化のための7の鉄則の「1」と「2」はコチラ。
前回は、
単品EC事業最適化のための7の鉄則の「4」と「5」はコチラ。

1.「EC通販は小売業+サービス業と理解する」

2.「顧客接点であるコンタクトセンターを活用する」

3.「EC通販はテストとロールアウトの繰り返しをあきらめずに実施する」

4.「データベース・マーケティングを徹底的に活用する」

5.「経営者が率先してEC通販にあたる」

6.「やる気のある担当をつけ、専門家をパートナーにもつ」

7.「成功事例を研究し、つねに柔軟な発想をもつ」

今回は最終の「5」~「7」。

鉄則5.「経営者が率先してEC通販にあたる」

 EC通販の場合は新しいビジネス形態のため、導入段階でいくつもの判断が必要になる。とくに、流通との摩擦の問題は「本業とEC通販のすみ分け」が必要になり、大手のプラットフォーマーへの商品卸なども含めて、常にトップの決断が必要になる。

したがって、以下のことが大事である。

①トップがEC通販の事業構造を理解する

経営者自らEC通販の情報を集め、EC通販の専門家から経営者向けの指導を受けながら、自社の戦略を考える必要がある。EC通販ならでの4Pや3C分析などから、自社が勝てる戦略を考えて、部下やチームにその戦術まで指示を行い、毎日や毎週や毎月~四半期、半期、1年~中長期のPDCAの中心となる事が望ましい。

②EC通販の重要な決断はトップが行う

担当者から定期的な報告を受けるしくみをつくり、重要事項はトップ自ら決定をくだす。自分がわからないから担当に任せているというのでは成功か失敗か判断できず、結果成功しているにもかかわらず、撤退を決定している企業も少なからず実際にある。

○新規顧客獲得のCPOやCPA

○客単価(新規と既存や優良顧客の違い)

○EC通販の原価率(商品+同梱物+受注+配送費用)

○リピート回数(から導き出されるLTV=年間の顧客一人当たり買い上げ額や企業としてはその利益額)

最低、上記の4つの指標による事業構造と利益の関係については、経営者がすぐに答えられないのは問題と考えるべきである。

鉄則6「やる気のある担当をつけ、専門家をパートナーにもつ」

 企業の戦力をどこに向けるかが経営者の重要な仕事であるが、新規事業に余剰人員を向けると失敗する。EC通販の場合、商品企画から販売促進、物流、顧客管理など総合的な能力が必要とされるだけでなく、会社のもっている資産の活用もしなければならない。
そのため、各部署から能力、やる気のある担当をつけることが、成功の秘訣となる。
また、EC通販の場合、まだ経営のノウハウが一部の通販実施企業に集約され一般化していない。公開情報はなかなか入手できないのが実情だ。そのために、いつでも気軽に経営相談のできる、EC通販のコンサルタント会社をパートナーにもつことが必要になる。間違っても広告代理店や印刷会社とだけ提携するのはやめた方が良い。なぜなら彼らは広告と印刷物を売るのが仕事であって、あなたの商品を売るのは仕事ではない。たとえ経験が豊富だとしても、代理店のみでなく第三者としてコンサルタント会社などの専門家を参謀役で入れておく方が良いだろう。
EC通販の担当者・責任者は別のEC通販会社から経験者を採用する方法が良いのだろうか?
過去、EC通販の会社にいて業務を理解しているだけでは相談相手として不足だ。なぜなら、過去の体験を元につい判断してしまう。実際の事業では、同じカテゴリーの商品でも広告のレスポンス率は異なる場合が多い。
「前の会社ではこうなりました」ではすまない。その体験は、直接顧客と取引しているため常に変化していると認識すべきだろう。判断できるほどの情報は個人の体験では集積は難しい。自ら率先して取り組み、信念を持って経験豊かな組織を持つアドバイザーと話し合って欲しい。結論、担当者は遠まわりでも経営者の思いを理解して新たな事に取り組むことに積極的なやる気のある人材がベストだ。EC通販の専門家である前に経営経験や良いビジネスマンが条件だ。

鉄則7「成功事例を研究し、つねに柔軟な発想をもつ」

 私が企業内の研修などで良く質問するモノがある。
「与件として、①新規顧客獲得のCPOが6,000円、②客単価が2,000円(送料込み)、③原価率が70%(1,400円)としたら、あなたはこの事業に取り組むだろうか?」
(答えは2択:やる・やらない。最後に説明する)
EC通販を成功させるには、たゆまぬ企業努力が必要だ。その努力の1つに柔らかな発想が重要なビジネスだ。EC通販は発想から発送までと言うように全て自分で決めて実行できる。だからこそ発想が大切だ。EC通販のマネジメント実行サイクルでも触れたが、「計画にもとづき、販売→測定→分析→評価、そして、あらたなコンセプトの構築、さらに、販売→測定→分析→評価→」という流れをくり返す。「PDC(プラン・ドゥー・チェック)」のくり返しだ。EC通販担当者として「成功事例も失敗事例を研究」し、常に「改善できる柔軟な発想をもつ」ことが大切になる。
生のケーキをEC通販で売る会社がある。通常宅配便は壊れやすいケーキの配達は受けてくれない。しかしながら現実にインターネットで全国通販しているケーキ屋さんがある。クール便も使う場合もあれば、賞味期限管理も大変だ。
 柔軟な発想が重要となることを常に考えて欲しい。
質問の回答だが、リピート回数が単純に言って10回あって、CPOが回収できることが条件として加えられれば「やる」と、答えていただけないだろうか?
営業利益を出すためには、10回の注文では不足。さらに注文を得られないと利益は出ない。ここでやらないと答えた方は残念ながら利益が出るビジネスモデルを見のがしたことになる。
年商5億、営業利益1億円の企業があるのです。考えるべきは、
・客単価は3,000円に出来ないか?
・原価は下げられないか?
・リピートはどれだけ生まれる商品・サービスを作れるかということだ。
商品単価1,500円を主力商品にして、売上数十億円の企業もある。これが単品ECの魅力だ。
 
ぜひ7の鉄則をご参考にしていただき、貴社のEC通販を最適化し、参入(もしくは再構築)~成功、そして改善・拡大にお役立ていただきたい

ご質問は弊社のホームページやFacebook等でのチャットなど、お気軽に。

https://www.dmgc.jp/