効率的なEC通販「フルフィルメント」のために

前回の「EC通販のフルフィルメント戦略」のポイントの続き。今回は効率的なフルフィルメントを行うためのチェックポイントを業務の流れに沿って書いてみたい。

出典は弊社の「単品EC本」より。こちらはkindle版で旧版=正に元原稿。

①受注方法

 受注は顧客の利便性を考えると複数の方法を併用した方が良い。メインはカートとフリーダイヤルの電話。FAX、郵便ハガキや封筒などをサブとして用意したい。また小規模であればチャットやLINEでの受注も可能なので、カートとの連携を進めておきたい。

②受注処理

 電話受注が媒体到着時に殺到することがある。かといって、最大受注件数に合わせた電話回線とコミュニケーターを用意することは経費のムダにつながる。需給バランスに柔軟に対応するために、外部のオペレーションセンターの活用も考えたい。またQRコードや検索窓活用によるデジタルへの誘導も心掛けたい。
 ご注文者の中には「電話で一言ご相談・ご確認」して、もしくは「人による対応により安心感を得る方」と、電話で人と話すぐらいならカートやモールで「黙って買いたい」。ましてや移動途中のスマホ・ショッピングやポイントアップとなるスマホアプリを使いたいなど、人それぞれであるから。

③対応マニュアルづくり

 電話の受注スタッフ=コミュニケーター(と弊社では呼ぶ)は会社を代表して、顧客と接する人だ。企業への信用にもかかわる業務なので、対応マニュアルの作成とコミュニケーター教育は重要だ。この業務を忘れがちではあるが、一度業務の棚卸観点で現場でチームを作っていただき、マニュアル作成が良いと考える。特に新人さんや部署異動されてきた方へのオリエンテーションや業務説明に有効だ。
このマニュアルには「商品知識はもちろん、企業の姿勢、事業コンセプトやサービスレベル=各種営業窓口やその対応時間とレベル/有資格者の窓口などや支払い・配送・金額等々」をわかりやすくスムーズに説明できるように、まとめ直しておけばよい。新規サイトや広告の原稿(スペック)ともなり、間違いが少なくなる。

④商品ピッキング

 商品ピッキングから配送まで商品の品切れがないように、適正な在庫管理をすることが基本である。商品ピックアップや荷造りは、ミスがないように、感謝の気持ちをこめて丁寧にしかも正確に行うこと。通販のクレームの中で「注文しない商品が梱包されている」というものもあることからも、この業務の重要さがわかる。
 また、配送に関しては宅配便を使っている企業が多いが、小さな健康食品などなら普通郵便やポスト投函でお届できるものもあるので、荷姿、コスト、重量などをよく吟味して、最適の方法を選びたい。また配送方法も臨機応変でポスト投函で良いものと手渡し(簡易書留や特定郵便や宅配便)のもの、それも週末の時間指定がある場合はやはり宅配便か〒パックなど。
更に配送料が上がる一方の昨今では、Yahoo!+ヤマト連携やサードパーティの倉庫会社へお願いした方が格段に安い場合もあり、初期に梱包マニュアルが作れる程度を社内で実行したら、いち早く外部へ移管しても良いと考えている。その空いた時間で顧客に向き合う方が付加価値は上がる。

⑤代金回収

代金回収の方法はいくつかあるが、利用者の利便性を第一に考えることが基本である。更に第3社への債権譲渡型の〇〇後払いが増えているのは入金確認の手間を減らすだけではなく、信用照会や転売抑制、またクレカのキャッシュバック防止なども。そして増えているのが〇〇PAY払い、特に配送住所も連携しているAmazon PAYなどは新規客に便利で、ギフトならソーシャルギフト(贈り先のIDは分かるが、住所が不明など)も増えているようだ。

⑥支払時期

3つの支払方法(先払い、着払い、後払い)の中で、着払いか後払いが一般的だが、不在家庭の増加から、後払いが増えている。また、コスト面でも後払いの方が有利だ。先払い(銀行振り込みなど)についてはよほど特殊な商品でない限り、論外だと考えていただきたい。ユーザーの立場になって考えてみればわかるが、先払いはユーザー側に手間とリスクを負わせることになるため、ユーザーはそのようなハードルの高い通販を敬遠するのだ。ただし、ごくたまに先払いをCVSで行いたいという奇特な方もいらっしゃる。

奇特な方=優れて他と違って感心なこと,という意味です。
文化庁サイトより。

顧客に買っていただくチャンスを逃すことに比べると、未払いのリスクはうんと少ない。実際のところ未払い者は1%以下だとわかっているからだ。

⑦支払方法

 郵便振替か、着払いがいちばん簡単だが、忙しい顧客の利便性を考えるとクレジットカードでの支払い、コンビニでの振り込みは外せなくなっている。もちろん前述のAmazon Payやその他のプラットフォーマーの支払い、リアル店舗でのスマホ決済などがどのように発達するのか注意を持って見ていきたい。

⑧配送費の負担

 配送費は誰が持つのか?一般的には、一定金額以上の注文に対しては、配送料無料としているところが多い。しかし、商品にもよる。クール宅配便を使わないといけない産直食品や、大きな家具、家電などは相応の送料を顧客側が負担する場合が多い。配送費の値下げはありえない昨今、この経費をどのように扱うのか、例えばAmazonプライム会員のように優良会員は無料など、戦術というより戦略的な思考が必要になってきている。

⑨アフターサービス

 顧客にとってEC通販で買うことはまだまだ不安な要素も存在する。そのような時に何でも気軽に相談できるお客様窓口があれば、企業への安心感が高まる。また、返品・交換を大きくうたう方法も良い。普通、いったん封を開けた健康食品や食品は、よほどの暇疵でもない限り、返品は受け付けてもらえない。ところが、効果が見えない場合やお口に合わない場合の「全額返金保証」を打ち出す企業も増え、ユーザーには好評である。

⑩フルフィルメント機能の分散方法

 単品ECの場合、フルフィルメントもなるべく外部を活用して自社業務を減らすことをおすすめする。シンプルかつ、いつでも方向転換できるフレキシブルな体制が単品ECの基本だからだ。

「こちらはA4リアル本/特別版」

さて、フルフィルメント業務の外部委託の方法としては次の4つがあげられる。

すべてを外部に委託する

・データ処理関連業務を外部に委託する

・物理的フルフィルメントのみを外部に委託する

・電話サービスを外部に委託する

 この中身については次回に続く。