EC通販「売上100億円超」のメディア戦略ほか

売上100億円超のメディア戦略

 今回は10数社とこの規模やそれ以上をコンサルティングパートナーとして並走させていただいた経験からメディア拡大の一例として記載する。具体例は守秘義務の関係で全く書けませんので、ごく簡単に私見程度です。

(1)通販売上で年商100億円のストーリー

稼働客(※1)100万人×年間LTV(※2)10,000円で年商100億円となる。CPRやCPO、MR(メディレーション)を考慮しながら、5年か10年で達成するのかという中長期計画と共に、新規顧客の獲得必要数と稼働管理をしながら、新規20%:既存80%ぐらいのバランスを取らないと事業は安定しない。要はあくまで科学的なマーケティング手法である。だから、新規とCRM(リピート/リテンション)は両輪である。
※1=稼働客とは主に直近1年間にお買い上げの有ったEC通販でのお客さま
※2=年間LTVとはお客様お一人当たりの1年間でのご購入額。

(2)効率の良い媒体選定とその拡大ステップ

 最近のトレンドについてはEC(eコマース)から始めて紙媒体、電波媒体へとステップアップしている。またメイン商材は3点前後で、特にアフィリエイターやユーチューバーそしてインフルエンサーを活用しての話題作りと、それだけでは広告費倒れになり兼ねないので、SEOを十分に継続実施しつつ、リ・マーケティングなども怠らず、併用したい。
 また、ECのみで100億円企業も出てきていることなどから、自社のターゲットをしっかりと複数タイプをおさえておくことと、生活上の幅広い希望や悩みに答えられる。要はダイエットや美容、体力や筋力維持、小容量などの美味品などが可能性は高い。

(3)クリエイティブについて

前述もしているが、勝ち(価値)クリエイティブが開発できないと、事業は拡大しない。どうしても感性(顧客の趣味嗜好や感情)と共に時代の雰囲気まで敏感に感じ取ったクリエイティブ(表現)開発力も必要だ。そういう意味でも伝統的なマーケティング手法であるSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)やペルソナなどのターゲット理解が必要となる。

(4)パートナーと呼べる広告代理店や媒体社、PR会社の必要性

 EC通販でヒットする兆しが出てきた場合に、テレビ局や新聞社からの取材の声かかりが増えてくる。こういう時に総合広告代理店やPR会社と普段から付き合っていると、その内容や反復性、事後のSNSでの反響など更にブランディングまで活用が出来てくる。

(5)30億円~50億円でインフラへ再投資

 事業が立ち上がり、10億円を超えてくると余裕が生まれてくるので、積極的に幹部社員の教育に当てたい。30億円を超えるようになると、コンピュータシステムや生産設備、物流やコンタクトセンター拠点の増設や東西二拠点化、なりより顧客へのCRM活動が重要になるので、1年ぐらいは踊り場を作り、次のジャンプアップに備えたい。

次回からは、いよいよフルフィルメントについて。