EC通販での人材・組織の構築方法

EC通販の事業導入を決定したら、担当者を決めEC通販ビジネスの準備に入る。準備期間は事業規模によって異なるが最低でも6ヵ月間、できれば1年くらいはかかることを理解いただきたい。特に事業コンセプトの構築部分に時間がかかるというか、かけるべきとも思う。
今回はタイトルの「人材・組織の構築方法」なので、事業コンセプトについては次回に譲る。

(1)要員計画を立てる

 EC通販を事業導入するには、ここに掲げる最低5つの業務(兼務も可能)が必要である。EC通販ビジネスの規模によって、各部署を何人で担当させるかの人員配置の人数も異なってくる。小規模なら兼務も可能であるが全体の責任者と部門の責任者は必ず設置する。

(2)担当者のスペック

 担当者は、社長または事業責任者の意思を素直に理解し実行できる人材が望ましい。他社のEC通販ビジネス経験者を採用することも考えられるが、条件としては経営者の近くにいた人材でないと事業立ち上げの推進者としては難しい。かえって前のEC通販企業在職時の過去の偏った経験で判断しがちで新規事業の目的を推進する際、妨げとなる恐れがある。

・企画/マーケティング担当や商品の開発経験者、営業や接客経験などがある人材が担当することが多い。システム開発担当であった人材が売上100億円を越えてもEC通販ビジネスの責任者として成功している例もある。要は、経営者として考えることができる(経営の自分事化とでも言おうか)人間が重要だ。

(3)基礎教育を実施する

 まず、EC通販の「専門用語」を学ぶ。専門用語を理解していないと、仕事が前に進まない。EC通販ビジネスを理解することも必要だ。EC通販の事業構造、商品企画、顧客づくり、顧客管理、効果測定、販売促進活動、ECサイトやカタログづくり、フルフィルメントなどについて勉強する。

(4)競合他社を分析する

 EC通販広告やEC通販用のカタログを見て「商品や価格の分析」「EC通販に適した商品なのか、オリジナル性」などの研究も行い、EC通販のビジネスセンスを身につけることも必要だ。モールなら分析システム等も活用して販売数やランキングなども見ておくことも参考になるし、広告の入札単価の平均などが分かるもちろんに気なる商品は実際に購入して、商品+サービスやCRM活動などを自ら体験しておくことが重要だ。

(5)EC通販の専門家を迎える

 新しいジャンルのビジネスには、担当者が自分たちで勉強するだけでは手におえない難問にぶつかることが多い。単にシステムを開発した、ヒット商品を開発したという経験者ではなく、広告・企画・商品・フルフィルメントという重要な課題に対応できる組織/人材がいるコンサルティング会社などがベストである。EC通販の経験豊富な専門家をアドバイザーに迎えることをお勧めする。
そして、数多く経験してきた方々のお話を聞くこと、交流するとも重要だと感じている。次回7月20日(水)にはそのような機会を弊社でも開催する。

「新しいEC通販のマネジメント/組織作り」オープンセミナー/永田町リアル&ZOOM