拝啓、「稲盛和夫」塾長さま

私にとっては、ゴルビーの逝去よりも塾長が逝かれたことが重大事件でした。教えていただいた経営12か条を単品ECの推進として、一考させていただき、業界や自社への励みとさせていただきます。

抜粋・引用はコチラのオフィシャルサイトより。
稲盛和夫OFFICIAL SITE 経営12か条 

第1条 事業の目的、意義を明確にする

―公明正大で大義名分のある高い目的を立てる―

『まず事業の目的、意義を明確にすることが必要です。なかには、お金をもうける、家族を養うといった理由で事業を始めた人もいるでしょう。しかし、それだけでは多くの従業員を糾合することは難しいはずです。事業の目的は、できるだけ次元の高いものであるべきです。言葉を換えれば、公明正大な目的でなければならないのです。』

この逸話が一番、感動したのですが、会社とは従業員を物心両面に豊かにする場所、という定義です。それならば、単品ECは社会も従業員も豊かにさねばならないのです。無理な注文やキャンセルさせない横暴などもってのほかで、「公明正大」に行き続けたいものです。

第2条 具体的な目標を立てる

―立てた目標は常に社員と共有する―

『経営者は、組織が何を目指すのかというビジョン、目標を高く掲げ、集団に指し示さなければなりません。組織をどういう方向に導くのかという方針を出し、その先にどのような未来があるのかという展望を描き、さらにその実現に至る具体的方策まで指し示し、人々を導くことが求められるのです。』
こちらは、単品ECに限らずですが、出来るだけ経営状態を従業員にもオープンにして、喜びも苦しみもある程度は共有。そして次のステップも共有し、いつでも意見が出来る社風を作っておく。

第3条 強烈な願望を心に抱く

―潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと―

『物事は心に描いたとおりに成就します。何としても目標を達成したいという願望をどれだけ強く持つことができるかが、成功の鍵です。特に、潜在意識を駆使すれば、経営を大きく伸ばすことができます。』
こちらは経営者が割と得意とするところかもしれません。ただし、潜在意識まで透徹(とうてつ)する、と言われると、私自身はまだまだと自省することしばし、です。

第4条 誰にも負けない努力をする

―地味な仕事を一歩一歩堅実に、弛まぬ努力を続ける―

『京セラを創業した当初は、夜を日に継いで昼夜を分かたず仕事に励みました。従業員からは「こんな働き方では長続きしない」という声が上がりました。しかし私は幹部社員に、「経営をマラソンに例えるなら、我々は後発の素人集団のようなものだ。素人が普通のペースで走ってもさらに距離を離されてしまう。たとえ短い時間であっても全力で走り、勝負を挑みたい」と話し、100メートル走のスピードでマラソンを駆け抜けるような努力を続けてきました。』
もうこれは、自分に負けないというか、甘やかさないというか?。一度、京セラの幹部の方や盛和塾の先輩にお聞きしたことがあるのですが、「従業員より、長時間は働くという事でしょうか?」
「それは自分で決めることですよ」と。
何より、EC通販の先人たちは、正にこの状態だったのでは、とも思う。

第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える

―入るを量って、出ずるを制する。利益を追うのではない。利益は後からついてくる―

『経営の常識として、売上を増やせば経費もそれに従って増えていくものと考えます。しかし、それは誤った常識です。売上を最大限にし、同時に経費を最小限に抑える創意工夫を、徹底的に続けていく姿勢こそが高収益を生みます。』
ここが単品ECとしては、腑に落ちずらい点で。売上が上がると主に広告費も上げていくので、かつ一般メーカーとは広告販促の経費が10倍以上も違う。それでも経費を最小限にする努力は怠ってはいけない、ということか。
そして、アメーバ経営の考え方を取り入れると、各部署や各チームが経営単位なので、その中での付加価値/時間を高めると考えると、現場にも落としやすい。

第6条 値決めは経営

―値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である―

『値決めは、製品の価値を正確に判断した上で、製品一個当たりの利幅と、販売数量の積が極大値になる一点を求めることで行います。またその一点は、お客様が喜んで買ってくださる最高の値段にしなければなりません。』
これは諸手を上げて、大賛成。流通ごとに、またモールや自社通販や既存客CRMなどで、その時々で商品価格を変えたり、サービス費用を変えたりと、事業トップでないと、本当は値決めできないはず。

第7条 経営は強い意志で決まる

―経営には岩をもうがつ強い意志が必要―

『経営とは、経営者の「意志」が現れたものだと考えます。こうありたいと思ったら、何が何でも、その目標を実現しようとする、強烈な意志が必要です。』
こちらは、1・3・4条にもつながる教えで、古くは松下幸之助氏の教えで、「こうなりたいと、あんたが思わなあきまへんな」と。これは松下電器(現Panasonic)のように、余裕のある経営をするにはどうすれば良いか?と聞いた経営者に、松下氏が仰った言葉。その時の会場に稲盛氏が居て、苦笑する大衆とは別に、深く頷いたという逸話も聞いたことがある。

第8条 燃える闘魂

―経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要―

『小さな企業であっても、経営者は従業員を守るため、すさまじいばかりの闘魂、闘志を持って企業間競争に臨まなければ、勝負になりません。そのような「絶対に負けるものか」という激しい思いが必要不可欠です。』
稲盛氏を目撃というか、盛和塾の世界大会やその後のコンパ(仲間たちと勉強会のあと、その会場で軽食をともにしながら更に深い会話をして学びを深める)でも、いつも温厚でいらっしゃた晩年のお姿しか知らず、でも、お若い時は燃える闘魂だったんだろうな。年齢に関係なく、この気持ちや利他の心が無いと、あの破綻したJALのトップを引き受けるなんてことはあり得ませんものね。そして勉強会では「もう、あかん、おしまいや」と思ったところから経営者の仕事は始まる、と。もう脱帽です。

第9条 勇気をもって事に当たる

―卑怯な振る舞いがあってはならない―

『「勇気」は、物事を判断するときに必要となります。私は、「人間として何が正しいのか」という原理原則で判断すれば誤りはないと考え、それを貫いて経営してきました』
精神論が続くようにも読める第9条ではあるが、名著「生き方」を読めば、深く納得するし、経営手法としての「アメーバ経営」の根底にも流れているように思える。関係会社や部署、もちろん得意先や従業員に対する想い

第10条 常に創造的な仕事をする

―今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる―

『現在の自分の能力で、できるできないを判断していては、新しいことなどできるはずがありません。「今はできないものを何としてもやり遂げたい」という強い思いからしか、創造的な事業、創造的な企業が生まれることはないのです。』
これも大好きな一説であり、EC通販でも商品改善やお客様サービスの向上は終わりが無く、常に良くしようと思っているから、やりたい事だらけになる。それが継続パワーにも。

第11条 思いやりの心で誠実に

―商いには相手がある。相手を含めて、ハッピーであること。皆が喜ぶこと―

『思いやりは、「利他の心」とも言い換えられます。つまり、自分の利益だけを考えるのではなく、自己犠牲を払ってでも相手に尽くそうという、美しい心のことです。ビジネスの世界においても、この心が一番大切です。』
ここは引用のみでも良いのであるが、なぜ働くのか?とお聞きすると、よそ様のため、従業員のためになる事を「働く」というのです、と教わった。
そして、なぜ生まれてきたのか?という問いにも答えつつ、自分の心を良くするためには、一所懸命に働く。働く場所が修行となるのです、と。

第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

『明るさを秘めた、前向きでひたむきな努力は、長いスパンで見れば必ずや報われます。自然は、そのようにこの世界をつくっているのです。』
もう最後の12条は、やるしかないですね!という気持ちにさせてくれる。

さて、今月も楽ではないが、【明るく、元気に、前向きに】働きます!

敬具、誠にありがとうございました。