(2)EC通販メディアの特徴

前回の続き、前回はコチラから「メディア戦略」のポイント」

このテーマ、話題は書いた途端に古くなるのですが、元原稿は昨年の春で、オールドメディアの事はいつから言っていたのか覚えておりません(汗)

元原稿はコチラ。(単品ECハンドブック)

https://www.amazon.co.jp/dp/B099JFRHP8?ref=myi_title_dp

EC通販メディアの特徴

 さて、メディアごとの特徴をしっかりつかんでおくことが、EC通販にとってはかなり重要なことである。そこで、EC通販メディアとしての各メディアの特徴がどうなっているのかをまとめてみた。さらに、主なメディアについて説明しよう。

①自社ホームページ

主な販売場所としては「自社サイトとインターネットモール」がある。もちろんPC用やスマホ用、そしてレスポンシブ=画面サイズによって自動でそのデザインが変わるシステムも当たり前となった。閲覧/購入数としてはスマホ>PCとなっており、これはインターネットモールでも同様である。

単品ECでは1ページもののLP(ランディングページ)を多用して、リスティングやリマーケティングで誘導する。申込みまで1ページでできる一体型LPのコンバージョンが良いと言われている。更に静的/動的バナーやショート動画広告から誘導するコンテンツサイト(説明・説得用)も漫画や動画にて更なる理解促進、またLINEやチャットボットによる数回のアンケートなどなど、書けば書くほどややこしくなりそう。

②セカンドメディア

そういう意味では、自社のサイトではなく、NOTEやアメブロなどのブログサイトやYouTubeなどの動画共有サイト、スマホゲームサイト、InstagramやFacebook、Twitterなどの各種ソーシャルメディア、グーグルホームやぐるナビなどの口コミサイトなど。そしてグーグルマップなども。主にターゲティング広告やコンテンツ強化などのために利用する。ライブコマースのようにスマホの動画そのものがまるでTVショッピングのように機能し、更にはCtoCの盛り上がりもスマホによる手軽さと多様な趣味や生活スタイルから出てきたとも言えよう。

③その他のデジタルメディア

 スマートフォンのアプリケーションで顧客の囲い込みに使用等、OtoOでの店舗誘客、オムニチャネルの実現など種々の可能性がある。また外部のメールマガジンもメディアと言えよう。さらにAmazonのアレクサアプリのように情報コンテンツ&EC誘導としても使える新しい音声メディアなどの技術にも常に注目したい。

 ○Eメールの種類(私的な体験)
後日に書く予定のオファー(特典)にもつながるのだが、例えば※今年(2021年)1月1日に私の元にはEC通販企業30社ぐらいから新年のEメールが届いていた。大別すると、
・年始挨拶(HTMLメール) 10数通
・年始挨拶(テキストメール) 3通
・福袋セール 5通
・クリアランスセール 3通
・割引クーポン 2通
・おみくじ 2通
・送料無料セール 1通
・割引特別セットの案内 1通
・誕生日お祝い 1通(11月生まれなんですけど)
・請求 1通
私を識別してくれていたのは、請求メールのみではないでしょうか?1月2日から店舗の初売が始まるので、その前にクリアランスだ!割引だというのは、もちろん理解できるのだが……。※2021年の1月1日です。
 
次にアナログの代表的なメディアも見ておこう。

④折り込みチラシ

 配布エリアを限定でき、しかもカラーで広告できるために、折り込みチラシは最も利用しやすい広告媒体の1つである。新聞そのものは部数減の傾向でポストインも含めるとコロナ禍では折込チラシも増えていた。
この時代、日刊紙を毎日とっているというだけで、優良客予備軍とも言える。まぁ、一般的にはシニア世代なのですが、、、。
そして、1日に何枚も折り込みがあると、新聞読者が丁寧にチラシを見る可能性が減少し、効果は低下してしまう。そのため、通販で折込チラシを実施するには、出稿する曜日を選ぶことが大切だ。

曜日別のチラシの比率では一般の商品やスーパーマーケット、車や不動産の折り込みチラシは週末の金曜日、土曜日に多く折り込まれる。これは、消費者の購買行動に合わせての戦略の1つである。そのため、通信販売を効果的に告知するためには、折り込みチラシ部数の少ない、週の前半にある月曜日、火曜日、水曜日に折り込むとよい、と言われてきた。

また、全国で実施する際には、地域差と季節差を考慮する必要がある。地域差とは、地域によってニーズに開きがある場合があることである。たとえば、羽毛布団は西日本で売れるが、北の寒い地方では売りにくいといわれている。北の寒い地方では、羽毛布団の軽さが問題とされる。布団の重さが寒さをカバーするという意識が強いためだ。

季節差については、衣料品や冷暖房器具のように、販売時期によって売れ行きが異なる商品の場合は、季節に合わせた出稿が必要である。使用されるEC通販企業が減ってきている現在、かえって注目率が高いとも言える。

更にコロナ禍では新聞掲載のQRコードなどからECへの移行率(?)が数倍にあがった、という話も見聞きする。

⑤新聞広告

 新聞は家庭への普及率が最も高い媒体である。しかし、紙質の問題、モノクロ印刷(最近はカラーも増えてきた)が中心であることなどを考えると、イメージ訴求はむずかしい。説得調の特徴説明型広告が中心になる。全国紙は料金が高いため、地域を限定した地方紙や全国紙の地方版、日曜版(日曜版のカラー広告はよく使われている)、夕刊、スポーツ紙など、セグメントした使われ方が多い。お金を考えなければ全国紙夕刊のラテ下10段というテレビ・ラジオ欄の10段相当の広告スペース使うと効率が良いという体験を持つ方も多い。また、地方紙などは、エリアを限定して使用できるためにテストマーケティングのメディアとしても活用される。新聞の題字(新聞の名前)がついた広告特集という内容の新聞広告がある。オ一ルカラーで広告できるため、訴求力が強い。紙質も良く、カラー印刷もきれいだ。

新聞の発行部数が年々減少してきているとは言え、その中で有料購読されている家庭そのものがEC通販ターゲットとも言える。重複承知でポイントなので。

⑥TV広告

 TV広告は視聴覚に訴求できるため、商品説明に最適なメディアであるといって良い。しかし、記録性、保存性に乏しく、媒体コストが高いというデメリットもある。

日本でも24時間放送のTVショッピンチャネルがあることはご存知の通りで、EC通販には切っても切れないメディアとなっている。

ケーブルテレビは地域が限定でき、しかも双方向のメディアとして、EC通販にはふさわしいメディアといえる。残念ながら、レスポンスにも差があるようだ。テレビ広告でのEC通販告知手段としては、「番組提供枠」や「スポット枠」を活用して実施する方法と、番組そのものが情報提供仕立てのインフォマーシャルと呼ばれるテレビショッピング番組がある。

「番組提供枠」や「スポット枠」を使って実施する場合は、商品説明にかなりの時間を要するため、時間確保やコスト面での課題が残される。そういう意味では90秒や120秒のインフォマーシャルとしては「短尺」と言われるものが新規顧客の獲得効率は良いと言われる。しかしながら、29分の番組の方がLTVは高くなる傾向のEC通販会社もあるので、例えば複数企業が相乗りする協賛募集型のテレビショッピング番組で複数の尺を編集で実施、一度にテストすることも可能で、かつリーズナブルな制作料金でテレビショッピングができるようになった。インフォマーシャルの場合、時間枠確保という課題が残されるが、スマートフォンとの連動など新しい取り組みにまだまだ期待したい。

⑦ラジオ広告

 マスコミ媒体のなかでは、比較的安い料金で出稿できるのがラジオ広告である。見ることができないため、ラジオを使ったEC通販はむずかしいと考えられていたが、EC通販企業のラジオ通販利用も年々増加し、ラジオ通販でヒットしたという例もコロナ禍で再出しているようだ。

見ることができないという特徴を考えると、聞いてわかる商品が適しているということになる。多くの説明を要する商品はラジオ通販には向かない。既にヒットしている商品の価格的なメリットを訴える方法が成功している。

ある調査によれば、ラジオ通販のヒットの理由は、紹介するキャラクターへの信頼もさることながら、「低価格だから」「ラジオという媒体が商品を保証しているため、安心して購入できる」の両者がきわめて高いという結果が出た。

また、ラジオ通販では意外と返品率が少ないことも特徴の1つである。既に知られているヒット商品が販売されていることや、見えないことによる期待値とのギャップが少ないことなどのためであろう。

ラジオ媒体にあった商品特徴を生かして実施すれば、「ラジオショッピング」は成功する可能性が大きい。なお、参考までにラジオショッピングで人気の商品を以下に紹介しておく。梅干し、お茶、OTC医薬品、海苔、宝石(ダイヤモンド・真珠)、ダイエット食品、育毛剤、調味料、羽毛布団、保存食、防災品などがある。

⑧雑誌広告

 雑誌広告の特徴は、雑誌の編集方針によって購読者が異なっているため、対象をある程度絞って利用することができることである。EC通販の販売対象とマッチした媒体があれば、効率も良いため、大いに利用すべきである。雑誌は媒体費もそれほど高くないため、テストマーケティングのメディアとしても活用できる。

また、アフィリエイターの活躍により、その前段階にてキャンペーンや○○大賞、○○NO.1といったメディアを超えたタイアップも見られるようになってきた。しかしながら、法規制もあるので、アフィリエイターの紹介といえども広告表現は注意したい。当たり前であるが、これは雑誌広告のみの事ではなく、デジタル広告全般の話であるが。

⑨クレジットカード会社会員誌

 クレジットカード会社の会員誌でのEC通販は、支払いがクレジットカードで行えるというメリットがある。会員誌の特徴としては、基本的にはクレジットカード会員のため、大きな差異はない。ただ、普通会員とゴールド会員という二つ以上のメンバーの差はある。ゴールド会員の方が、高額所得者が多い。購入商品としては、家庭用品、雑貨、食品(頒布会含む)、衣料、貴金属など幅広い。利用にあたっては、媒体費用と売上手数料の二つの料金構成からなる場合が多い。

⑩DM(ダイレクトメール)

 DMの実施には、リストが重要になる。ハウスリストはレスポンス率も高く、効果も期待できるが、対象特性とのマッチングを十分考慮して、リスト選定をする必要がある。

DMの実施方法であるが、折り込みチラシ同様に、発送のタイミングが重要である。シーズンを過ぎてからDMを送っても、大した効果は期待できない。また、全国対象に実施する際には、地域差、季節差を考慮する必要がある。

⑪通販企業への同梱/同送サービス

EC通販会社のもっている顧客ヘダイレクトにアプローチできれば、EC通販経験者のため、レスポンス率は高くなる。そこで、大手通信販売会社の顧客にアプローチする方法がある。顧客戦略の実施項目で述べたが、もう一度まとめてみる。

○カタログ同梱:EC通販会社が顧客に届ける通販カタログに同封して送付する方法

○商品同梱:EC通販会社が顧客に届ける商品に同封して送付する方法

○請求書同封:EC通販会社が購入者に届ける請求書に同封して送付する方法

○通販カタログヘの広告掲載:EC通販会社が出している通販カタログへ広告として掲載する方法

「ニッセン」や「ディノスセシール」や「ベルーナ」、「千趣会」という総合通販企業のサービスが有名であるが、その実施地域・エリア・対象などの指定が可能なものもある。実施するサービス内容や実施料金が企業によって異なる。また、商品によってはできないものもある。相乗り方式のため料金は割安である。

⑫フリーペーパー

 内容的には、グルメ・飲食店の紹介、ショッピング、住宅不動産、美容、カルチャーなど地域の情報の提供が多い。美容や健康記事に連動して、健康食品の販促に利用されるケースも多い。特徴としてはクーポン付が多いことがあげられる。あるデータによると、保存期間5日間、商品やサービスの利用経験28%という。EC通販企業でも結構利用され、媒体費が安いので比較的よい効果が得られている。

⑬テイクワン方式

 店頭にカタログケースを設置し、顧客が通販カタログをピックアップする方法である。アメックスがカード会員獲得手法として、世界的に実施し成功を収めている。

現在ではLINEの公式サイトがこれに変わるとも言える役割を持ってきているようなので、直営店舗をお持ちの企業は即実施してほしい。

以上、最後までお読みいただいた方に「カミソリ負け」を防ぐ弊社のGAコスメティックスのクーポン、プレゼント(一番下に書くのが奥ゆかしいでしょう、笑)自社サイトやAmazonでEC現場の再修業中、リスキリングで私の仕事なので、アラカンのデジタル手習い・・・次回はこの変化について。